|
この春は、あたらしい春。
私は、生まれて初めて、朗読の録音をしました。
朗読は、音階のない、うた。
その自由さとシンプルさに魅かれて
私はこれまでも折に触れて、
小さな詩や物語を、あちこちで読んでいました。
昨年の震災のあと、被災地でたくさんの方々が
恐くて眠りにつけない夜を過ごしている、という話をかがって
うたばかりでなく、ゆったりとした語りと音楽があったら
悲しみ疲れている方々の、こころのあかりになるのではないかと思ったのが
録音のきっかけでした。
耳になつかしい、美しい物語や詩を、
やさしい音楽とともに。
ただ朗音楽に朗読をのせるのではなく
音と言葉が、互いを聴き合い、生き物のように呼応して
新しい音の空間を創るような、
そんな作品にしたい。
東京の小さなスタジオで、
笑ったり、うーんとうなったり、感嘆の声を上げたりしながら
CDは出来上がりました。
アイディアをともに生み出し、いつもあたたかく励ましてくださった、ディレク
ターの丸山さんと
新しい、すきとおった感性で、奥行きのある音世界を創り出してくださった、原
田さん聖湖さん
そして、このうえなく美しい絵を、カバーのために描いてくださった、外間さんに
こころから感謝を捧げます。
眠りにつけない、長い夜や
こころのざわつく、昼のさなか
ありのままのじぶんを、どこかに休ませたいと思ったとき
どうぞ、聴いてみてください。
鈴木重子
|